白木の箱の中身

4歳の時、裏庭で一人遊んでいた。

地面に何かを描いていた。

すぐ近くの奥の間から、読経の声が聞こえていた。

人のいなくなった床の間には、白木の箱が一つ置いてあった。

中を少し覗いてみた。

石ころが一つあった。  戦死した父の葬儀だったのだ。大きくなってから知った。

    トンド焼灰で結界無事祈る

    トンド焼ボケの始まり焼き忘れ(妻)         (つづく)